“角を取る”より大事:角の周りを制する考え方(危険な角取りもある)

角は最強のマス。これは間違いない。
でも実戦で勝ちやすい人は「角を取る」だけじゃなくて、角の周り(角に近い辺・危険マス)をコントロールするのが上手い。

この記事では、

  • 角が強い“本当の理由”
  • 角の周りを制する=何をすることか
  • 危険な角取りが起きる典型パターン
  • 明日から使えるチェックリスト

をまとめる。


1. 角が強い理由は「確定石」だけじゃない

角が強いのは「ひっくり返らない」から。
でも、角の価値が爆上がりするのはここから。

角=辺を“固定”する起点になる

角を取ると、その角に接する **辺(例:a1なら1段目とa列)**を安定させやすくなる。
さらに、相手の手を消しやすい(=相手の選択肢を狭めやすい)。

つまり角は、

  • 盤面を安定化させる(確定石)
  • 相手の手を奪う(可動性を削る)
  • 終盤の手数(パリティ)にも影響する

という “総合バフ” を持ってる。


2. 「角の周りを制する」って具体的に何?

結論から言うとこれ。

角を“取る前”に、相手が角に触れられない状態を作る
もしくは
角を取った後に、相手が辺を伸ばせない状態を作る

そのために見るべきは、例の X / C(角の斜め・角の隣の辺)だけじゃない。
角周りはざっくり「リング」として考えると分かりやすい。

  • 角そのもの(a1)
  • 角の隣(Cマス:a2 / b1)
  • 角の斜め(Xマス:b2)
  • その周囲(b3 / c2 / c1 / a3 など)

ここを“事故らない形”で支配できると、角が「取れる」じゃなく「取らせない/取った後も勝てる」に変わる。


3. 角を急がない方が強い場面:角の“入口管理”

角が空いてても、相手が角を取れない状態なら、あなたが急いで角を取る必要はない。
むしろ「角に入るための入口(X/C)を相手に踏ませる」方が得なことが多い。

入口管理のイメージ(角は開いてるけど相手に触らせない)

例:黒番。a1周りで相手にC/Xを踏ませたい。

a1
b
c
d
e
f
g
h
2
3
4
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7
8

上の図は角周りではないけど、考え方は同じ。
相手の合法手を増やさない/角周りに触れさせない方向で手を選ぶと、相手はそのうち「嫌な入口(X/C)」に追い込まれやすい。

ポイントは「角を取る」より先に 相手の角ルートを断つこと。


4. 危険な角取り①:角を取った瞬間、相手に“反対側の角”を渡す

角は強い。でも「角を取って満足」してると、相手も角を取ってバランスが相殺される。
しかも相手の角の方が“辺が育つ角”だと、あなたの角取りがむしろ損になることがある。

典型例:a1を取ると、相手にh1が入る

黒番。候補は a1(角)。

a1
b
c
d
e
f
g
h
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3
4
5
6
7
8

この局面、a1は合法手で気持ちいい。
でも a1 を取ったあと、白は **h1(反対側の角)**が入りやすい形になっている(=辺の一気伸びが起きやすい)。

何がマズい?

  • あなた:角は取ったが、その角の辺が“育たない”(伸ばす手が危険)
  • 相手:角を取ったうえで、その辺が“育つ”(安定石が増えやすい)

対策(思考)

角が取れる局面でまずやるのはこれ:

  • 「自分が角を取ったら、相手は別の角を取れる?」
    → Yesなら、その角取りは“保留”の可能性大
  • 角を取る前に、相手の角筋を潰せないか?(可動性・手止め)

角は“単体”で見ると強い。
でも実戦は「角+次の角(角同士の交換)」で価値が決まることが多い。


5. 危険な角取り②:角を取ったあと、Cマスを踏まされて辺が崩れる

角を取ったのに、角の隣(C)を相手に取られて辺が荒れるパターン。
これは「角の周りを制する」ができてないと起きやすい。

“角取り後”にやりがち:辺を欲張って角周りが破裂

黒番、候補は a1(角)。一見よさそう。

a1
b
c
d
e
f
g
h
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6
7
8

この形は a1 を取るの自体は気持ちいいし、基本的には良い。
でも重要なのは そのあと

  • a1を取った直後に、1段目(a1〜h1)を欲張って伸ばそうとすると
    相手にCやXを与えて角周りが崩れることがある。

対策(角を取った後の基本ルール)

角を取ったら、次は「伸ばす」じゃなく「固める」。

  • 角を取った辺は “無理に伸ばさない”(相手の入口を作りやすい)
  • 相手に C打ちのチャンスを与えない(合法手を作らない)
  • 角の周辺で“返しすぎ”る手は避ける(手を増やして相手を自由にする)

6. 角周りを制するための実戦チェックリスト(これだけで強くなる)

角が取れそう/角が空いてる局面で、打つ前にこれを順番に見る。

チェック1:角を取ったら、相手は別の角を取れる?

  • 反対側の角(同じ辺の反対:a1↔h1、a8↔h8)
  • 対角の角(a1↔h8、h1↔a8)
  • “次の1手”で入らないか?

入るなら、その角取りは危険な可能性(角交換が起きる)。

チェック2:角を取った後、相手のC/Xに合法手を作ってない?

角を取ると周辺の石がひっくり返る。
その結果、相手に a2 / b1 / b2 のような入口が開いてないかを見る。

チェック3:角を取った後、自分は辺を安全に“固定”できる?

角を取っただけで止まって、次の手が全部危険(X/Cだらけ)なら、角取りが「罠」になっていることもある。


7. 角を取らなくても勝てる手:入口(X/C)を相手に踏ませる

角の周りを制する一番強いパターンはこれ。

  • 自分はX/Cを踏まない
  • 相手が逃げ道を失って X/Cを踏まされる
  • そこで角を回収(または角を永遠に封鎖)

この発想があると、角が空いていても焦らなくなる。


8. ミニ練習:角を取る?取らない?(3問)

Q1:黒番。a1は取れるけど……取るべき?

a1
b
c
d
e
f
g
h
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6
7
8

解説の方向性:
a1自体は強いが、「取った瞬間に相手が別角(特に同辺反対側)を取りやすい」なら危険。
角交換の結果、どっちの角が“辺を育てられる角”かを評価する。


Q2:黒番。角は取れる。取ったあとに安全手はある?

a1
b
c
d
e
f
g
h
2
3
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5
6
7
8

解説の方向性:
角取りはOK寄り。ただし「取った後に辺を欲張る手」が危険。
角を取ったら“固め”に入る意識が大事。


Q3:白番。角はまだ取れない。入口(X/C)を相手に踏ませたい

a1
b
c
d
e
f
g
h
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3
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5
6
7
8

解説の方向性:
角の話に見えないけど本質は同じ。
相手の合法手を増やさず、将来の角ルート(X/C)を相手に踏ませる布石になるか?で手を選ぶ。


9. まとめ:角は“点”じゃなく“面”で取る

  • 角は最強。でも 角だけ見て取ると事故る
  • 「角の周り(入口・辺の育ち方)」まで含めて価値が決まる
  • 危険な角取りの典型は
    (1) 角交換で損する / (2) 角取り後に入口を開ける
  • 角が取れるときほど、まずはこの一言:
    「取った後、相手は何ができる?」
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