“形”で覚える:中盤の悪形カタログ(薄い辺、穴あき、角周りの崩壊)

中盤が苦しい人に共通するのは、読みより先に **「形で負けてる」**ことが多い。
オセロは局面計算も大事だけど、中盤は特に

  • 角が取られる
  • 辺が崩れる
  • 手がなくなる(可動性が死ぬ)

みたいな“事故”で一気に負ける。

そこでこの記事は、暗記系の定石じゃなく 悪い形(悪形)だけを集めたカタログ。
見た瞬間に「やべ」と気づけるようになるのがゴール。


0. 悪形を見るときの共通チェック

悪形はだいたい、このどれかを引き起こす。

  • 角周り(X/C)が空く(角献上)
  • 辺が不安定なまま増える(辺が餌になる)
  • 自分の合法手が減る(詰む)
  • 相手の合法手が増える(相手が自由)

「形が悪い」=「次に起きる事故が見える」状態。


悪形1:薄い辺(薄いエッジ)— “辺に触ったのに守れてない”

特徴: 角が絡んでないのに、辺に自分の石が点々とある/細く伸びている。
起きる事故: 相手に割り込まれて、辺が一気に裏返る → 角筋(X/C)も開く。

典型図:角がないのに辺が増えている

黒番想定。辺に石が並んで見た目は良いが、角がない。

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この形の怖さは「辺が取れてる」じゃなくて、
相手の割り込みポイント(間)が残っていて、そこから崩壊すること。

回避の合言葉

  • 「角がない辺は育たない」
  • 「辺は“連結して安定”するまで薄く触らない」

悪形2:穴あき(ホール)— “内側に空白が残って相手の手が湧く”

特徴: 自分の石で囲った“内側”に空きマス(穴)が残る。
起きる事故: 相手が穴に打って、こちらの石を大量にひっくり返しつつ可動性を確保する。

穴あきは、だいたい「返しすぎ」や「固まりすぎ」で生まれる。

典型図:内側に穴が残っている

黒番想定。内側に打たれると一気に崩れるパターン。

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※candidateのマスが“穴”のイメージ。
(実戦では色配置次第で合法手は変わるが、形としての警戒を覚える目的)

何が悪い?

  • 穴は「相手の安全な着地点」になりやすい
  • 相手が穴に入ると、こちらの石が固まり、次の手がなくなることもある

回避の合言葉

  • 「囲いすぎない」
  • 「固まりを作る前に逃げ道(外側の手)を確保する」

悪形3:角周りの崩壊(X/Cの開放)— “角が取られる形”

特徴: 角の隣(C)や斜め(X)に“触れる条件”が揃っている。
起きる事故: 次の数手で角を取られて、その辺が育って終わる。

角周りの崩壊は、1回起きると回復が難しい。

典型図:Xが打てる/打ちたくなる形がすでに危険

白番想定。b2(X)に触れたくなる状況そのものが危険。

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Xを踏んだ瞬間に角筋が発生することが多い。
C(a2/b1)も同様で、「入口が開いた」時点で負け筋が見える。

回避の合言葉

  • 「角の周りは“近づかない”が最強」
  • 「角が絡む局面は、候補手からX/Cを真っ先に消す」

悪形4:固まりすぎ(団子)— “自分の可動性が死ぬ”

特徴: 自分の石が一箇所に密集し、外側へのラインが少ない。
起きる事故: 自分が打てなくなる(パス)/相手が返し放題で自由になる。

典型図:中央に団子ができている

黒番想定。ここから外へ出られないと詰む。

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candidateは「外へ逃げ道を作る」発想の例。
団子を育てる手(さらに密集させる手)は、だいたい可動性を削る。

回避の合言葉

  • 「塊は作るな、逃げ道を作れ」
  • 「自分の次の合法手を最低3個残す意識」

悪形5:薄い辺 + 角筋セット(複合事故)— “最悪のコンボ”

中盤で一番危険なのがこれ。
辺が薄い(割り込まれる)うえに、角周り(X/C)も開きそう。

典型図:辺を触って角周りの入口も開いてる

黒番想定。b1/a2周りが不穏。

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角が取れるなら良い…に見えるけど、
「角を取った後」に相手が別角・別辺へ展開できる形だと危険な角取りになることもある。

(角取りの良し悪しは“取った後の周辺”までセットで判断。)


6. 悪形を見つけたら、どう直す?(最低限の処方箋)

薄い辺を見つけたら

  • 角がないなら増やさない
  • 割り込み点を消すより「相手に打たせない(手止め)」方向で考える

穴あきを見つけたら

  • 囲いを広げない
  • 外側へ逃げ道を作る(可動性の回復)

角周りが崩れてそうなら

  • X/Cに触る手をまず候補から消す
  • 角を守る/角交換の損得を最優先で考える

団子なら

  • “外側に逃げ道”を作る
  • 相手の手を減らして、団子のデメリットを相手に押し付ける

まとめ:悪形は「見えた瞬間に回避」できる

  • 薄い辺:角がない辺を増やすと割り込まれて崩れる
  • 穴あき:内側の空白は相手の安全地帯になりやすい
  • 角周りの崩壊:X/Cが開くと角を取られて試合が傾く
  • 団子:可動性が死んで自分が詰む
  • 複合事故(薄い辺+角筋)は最悪

“悪形カタログ”を頭に入れるだけで、中盤の事故がかなり減る。

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